■刑務所でのバッグ製作―出所後の仕事を
スルシィでは2015年から、工房のあるセブ島カルカル市の刑務所に継続的に通い、収監されている女性たちにバッグの編み方の指導を続けてきた。

「フィリピンでは、高い学歴を持たない人びとにとって、ちゃんとした仕事に就くことはとても難しい。編む技術は一度身に付ければなくなることはない。収監中の女性たちにとって、刑務所を出た後に暮らしていくためにもプラスになる」と関谷さんは言う。
できあがったバッグに対しては工賃を支払っている。そのお金は所内での女性たちの日用品や、家で暮らす子どもの教育費に充てられているという。
関谷さんによれば、ドゥテルテ大統領による麻薬取締強化の影響で、取り組みをはじめた2015年ころに比べ刑務所に収監されている人数は3~4倍ほどに増えているとのことだ。「ドラッグの使用で収監されている人がほとんど。子どもを抱えている女性も多く、出所後に仕事を得られるよう支援していくことが重要だ」(関谷さん)
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