「水素サプライチェーン」 神戸、川崎で実証へ

福田紀彦・川崎市長は、「ブルネイから燃料電池自動車4万台分を供給する『水素サプライチェーン構築実証』を2020年から実施する」と述べた。

小池百合子・東京都知事は、「再生可能エネルギー活用」、「ZEV(ゼロエミッションビークル)を通じた「2050ぜロエミッション東京」について述べた。福島県浪江町生まれの再エネ由来水素を2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村に供給する電源の一部として活用する計画を話した。

「水素」は、電気や熱に変えてもCO2を排出しないクリーンエネルギーである。水素の製造方法は100種類以上あり、水の電気分解でも製造できる。使われない再生エネルギーを水素として貯蔵し、必要な時に運搬し供給することも可能である。水素製造、貯蔵、運搬などの産業競争力強化も期待できる。

その一方、水素社会の実現に向けて、解決しなくてはならない課題は山積している。
①安価で安定的なCO2フリー水素をいかに確保するか。
②国際水素サプライチェーンなど大量輸送方法の確立供給体制をいかに構築するか。
③安全性を地域の方々にいかに理解して頂くか。

政府がいう「発電コストの大幅コストダウン」には、大量の需要を生むことが必要で、規制緩和、インフラ整備、技術開発など産官学が一枚岩となって取り組むことが必須だ。

ビジネス視点では、CO2フリー水素製造技術確立には、大きな設備投資を必要とする非連続の技術開発が不可欠とされる。既存のエネルギービジネスに、水素関連の新しいエネルギービジネスを融合させ、どちらのビジネスも確立させるという経営者の舵取りが、正に求められている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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