——環境に関する取り組みとして、環境負荷ゼロを2050年までの目標とした「Road to Zero」を、かなり早い段階から始められていますよね。
そうですね。2010年に策定しました。当時、すでに欧州では一部のNGOや外部評価機関から、長期ビジョンを出した方が良いという声が上がっていたので、それに応えました。以来、5年ごとに中期計画を出すことにしています。
現在は、2021年からスタートする中期計画について、現状事業所で約134万トン排出しているCO2(2018年度)を、2025年度に何万トン、何%減らすのかなどを、社内で議論しています。
2020年度の排出量を2015年度比で5%減という目標を立てており、2018年度は2015年度比で14%減、2000年度比で約39%減を達成しました。
その時々の製造事業所数や製品の種類によって、CO2の排出量削減の難易度が変わっていきますが、(原単位ではなく)絶対値で目標値を設定するようにしています。エレクトロニクス事業の不振で、製造事業所の数を減らした時は、自然とCO2排出量が減りました。
しかし、近年は半導体を含むデバイス事業が好調なので、顧客の需要に応えながら、いかにCO2を削減していくかが、大きなチャレンジです。
——ソニーはRE100(再生可能エネルギー100%を目指すイニシアティブ)に加盟していますが、グループ全体での再生可能エネルギーの比率は現在、どういう数字ですか。
RE100では2040年までに再生可能エネルギー100%を目標にしました。Road to Zeroにおいて、2050年までに環境負荷ゼロの達成を目標にしている我が社にとって、RE100は絶対にクリアしなければならない目標です。
欧州での当社のオペレーションに関しては、2008年の時点で再生可能エネルギー100%を実現しています。