GSアライアンス(兵庫県川西市)は11月11日、リサイクル原料から製造した樹脂材料が、日本バイオマスプラスチック協会の「グリーンプラ」「バイオマスプラ」の認証を取得したことを発表した。樹脂材料は、植物、木、廃木材、紙、古紙などのリサイクル材料を複合化させた100%天然バイオマスの生分解性樹脂で、石油由来原料は不使用だ。(オルタナ編集部=中山涼太)
「グリーンプラ」とは、使用後に微生物の働きによって、最終的に二酸化炭素と水にまで分解され、使用後の処理にまで配慮されている。
「バイオマスプラ」とは、再生可能なバイオマス資源を原料に、化学的または生物学的に合成することで得られるプラスチックだ。バイオマスプラには、焼却しても大気中のCO2の濃度を上昇させないという特徴がある。
GSアライアンスの樹脂はバイオマス由来のものを使用し、100%天然バイオマスからできている。同社は石油を一切使用しない生分解性材料にこだわり、植物や紙などの原料を用いることで環境に配慮した材料を生成している。リサイクル材料を用いているため、コストの面からも利点があるという。
こうした木、植物、古紙などのリサイクル材料を用いた樹脂材料で、グリーンプラ、バイオマスプラの認証を取得したのは初めての事例だ。
同社はセルロースナノファイバーと樹脂を複合化する技術を持ち、これらの材料にもその技術を応用している。セルロースナノファイバーも天然バイオマスの生分解性材料なので、この技術を組み合わせることにより、石油を一切使わずに生分解性を維持したまま機械的強度などを向上させている。
同社は「今後はさらなるサンプル出荷を進めていき、加えてこれらの材料の機械的強度、結晶性、耐熱性、寸法安定性、成形性といった樹脂としての機能の向上などの検討も同時に進めていく」とコメントしている。
さらに、この材料をカトラリー、皿、ボトル、袋、フィルムなどの各種成形品にも使用し、ビジネス展開していく予定だ。