赤道直下の淡路島とほぼ同じ面積で、人口密度や国民一人当たりの所得が世界のトップレベルの国、シンガポールから目が離せられない。この国の高齢者福祉の動きを研究してきた者のひとりとして、最新のサスティナブル福祉教育人材育成の情報をお送りしたい。(日越大学客員研究員 桂良太郎)

フードプロジェクト(キチンプログラム)の施設前にて。 桂良太郎 日越大学客員研究員(左)と地元ボランティア(中央)とDr.G.TNG女史(右)

■これまでのシンガポールの福祉社会は政府主導の政策にカギがあった。

この国のこれまで、年間の国家予算のなかで社会保障費の占める割合が、日本などは30%を優に超えているのに、3-4%という信じられない数字でもって、福祉社会を実現している。

その「からくり」はリークアンユー元首相率いる人民行動党の欧米とは異なる「アジア型社会福祉改革」としての、「公共住宅政策」や、「CPF(国民強制加入保険)」そして、「両親扶養法」に代表する、国家と地域と家族の「役割分担の明確化」にあったと言える。

■いまやシンガポールは3K(環境・健康・観光)としての「エコパワー」に注目している。

コミュニティガーデン

この国はその後家政婦問題等の移民政策改善から、大きく福祉政策の転換期をむかえ、これからは「エコパワー」と「真のソーシャルワーカーの養成」こそが重要であると福祉研究者の同僚たちは口をそろえて言う。

限られた公共住宅の屋上をすべて「コミュニティガーデン」にし、そこで収穫した有機野菜やくだものでもって、エコフードを高齢者の健康のための「食材開発」に取り組んでいる。

■そのカギをにぎるのは、民間主導の真の「ソーシャルワーカー」養成にある。

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