ワタミが11農場で有機認証取得、動物福祉にも配慮

■国産で初めて卵やアイスで有機認証

北海道の瀬棚農場で平飼いされている採卵鶏。「ケージ飼い」と違い、自由に動き回ることができる

ワタミファームの瀬棚農場(北海道せたな町)は2007年4月、国産で初めて有機畜産物(鶏卵)、有機加工食品(チーズ、バター、アイスクリーム)の有機JAS認証を取得した。

有機畜産物の原則の一つに「動物の生理学的及び行動学的要求に配慮して飼養する」という原則があり、アニマルウェルフェアに配慮した商品群といえる。

アニマルウェルフェアは、一般的に「動物福祉」と訳され、「人が動物を利用する上で、動物の幸せ・人道的扱いを『科学的』に実現するもので、動物本来の生態・欲求・行動を尊重する」という考え方だ。

瀬棚農場では、厳寒期を除き有機の牧草地に牛を放牧し、牛に負担がかからない量を搾乳している。採卵鶏も有機野菜や有機飼料を与え、一般的な狭い「ケージ飼い」ではなく「平飼い」で飼養する。

美幌峠牧場(北海道美幌町)では、280ヘクタールという広い土地で乳牛280頭を飼育。2019年9月には飼料生産(牧草栽培)で有機JAS認証を取得した。

ワタミファームの西岡社長は「有機農業・畜産は奥が深い。有機畜産も、土づくり、草づくりから始まる。手間はかかるが、その分喜びも大きい」と力を込めた。

オルタナ59号(12月17日発売)では、特集「アニマルウェルフェア(動物福祉)のリスクと機会」を特集しています。アニマルウェルフェアに関する詳細は本誌をご覧ください

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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