■劇場継続に向けて続く努力

危機的な状況が続くなか、各シアターによる取り組みも紹介された。京都市の出町座では、チケットの先売り販売や、併設するカフェや書店での特典などを「出町座未来券」として発行。田中誠一支配人は「映画館だけでなく、カフェや書店も同様に厳しい。そのなかで、お客さんと我々の場所をどう結べるのか模索している」と述べた。

広島県のシネマ尾道では、同館の会員制度「友の会」入会を呼び掛けている。河本清順支配人は「4月以降、特にシニアの方を中心に急激に観客数が落ち込み、これまで支えて頂いていた基盤が失われていくのを感じている。答えが見つからないなか、映写機を止めず、少しでも長く(映画館を)続けていくために努力を続けている」と話した。

大阪市にあるシネ・ヌーヴォの山崎紀子支配人は、「お客さんやスタッフに危険があるなかで映画を見てもらうことに悩み続けるなか、休館を決断した。安全になってから、お客さんに戻ってきてほしい」と力を込める。同館を含め危機感を共有する京阪神13館が共同でTシャツを制作・販売する緊急支援プロジェクトを実施し、大きな反響を呼んでいるという。

大分県にあるシネマ5など2館を運営するとともに、コミュニティシネマセンター代表理事を務める田井肇氏は、「国に映画など芸術文化を守ってほしいと、20年来求めてきたが実現されていない。多くの映画館が新型コロナウイルスの終息を(閉館することなく)迎えることができるのか」と危機感を募らせる。

■映画に関わる人びとの暮らしを守る

1 2 3