■「自分だけじゃない」

三好さんは香川県直島の出身。大学は子ども時代を過ごした院内学級のある岡山の大学に進んだ

――活動を始めたきっかけは。

私は「慢性ネフローゼ」という病気で、5歳の頃から8―9年間ほど入退院を繰り返す生活を送っていました。その入院中に通っていた院内学級が、とても楽しい時間でした。毎朝身支度して院内学級へ行くと同世代の友達がいて、国語や算数の勉強や休み時間にはトランプをしたり。そこでの生活を通して「闘病しているのは自分だけじゃない」と感じました。

その後岡山の大学に進学し、母校である院内学級でボランティアをすることにしました。そこで出会う子どもたちは自分と変わらず病気と闘い、付き合いながら学んでいました。闘病経験があり当事者の自分が「できるときに少しでも勉強しておくと良いよ」などと語りかけると、子どもたちもそれを受け止めてくれ、行動が変わっていくといった経験がありました。

子どもたちの親から「退院後もかかわってほしい」と言われたことをきっかけに、大学院で学ぶ傍ら病気を抱えた子どもたち専門の家庭教師を始めました。それが口コミなどで広がり、また岡山NPOセンターが行う社会起業家ゼミへ参加するといった活動のなかで、2015年にポケットサポートを設立しました。

病院内での学習支援や相談、退院後の訪問や交流の場づくり、啓発活動など、当時続けてきたことが現在も活動の柱になっています。2019年度は個別学習支援をのべ70人、交流支援を含めてのべ400人以上の子どもに支援を届けました。

全国で長期入院する子ども6300人のうち、継続的な教育支援を受けられるのは1割ほどという調査もあり、支援の重要性を感じています。

■支援する側の多様性も

――6年目を迎え活動が広がっていく中、専門性の高いスタッフをどう育成していますか。

代表の私をはじめ、当事者であるスタッフによる支援(ピアサポート)を進める一方、年間40人ほど登録してくれている大学生のボランティアたちは、様々な学部からの参加、中には疾患を抱えている人もいます。そうした支援する側のグラデーションもうまくいかしたマッチングが大事だと感じています。

例えば慢性疾患を抱えた思春期の女の子にかかわるとき、30代のおじさんよりは女子大生のほうがかかわりやすい。小難しい話より恋バナで盛り上がりたいわけです。絵を描くのが好きな子には技術面をサポートしてあげられる支援者など、一人ひとりの適性にあわせた支援も必要になります。

ボランティアへの説明会は、毎年2~3回行っている

とはいえ、子どもが入院する小児病棟内での支援はハードルが高いのも事実です。感染症への対策や個人情報の扱い、心のケアの問題などの知識や経験、専門性が求められます。ボランティアには活動の思いを知ってもらう説明会のほか、経験の積み重ねや講習会、適性検査などを通じてスキルアップする仕組みも取り入れています。

最近では岡山の教員採用試験でポケットサポートでのボランティア経験が評価されたり、支援学校にボランティアリーダーが採用されたりと、活動で培われたものが現場に生かされていく裾野の広がりもできています。

■寄付型NPOに向け「適切な発信を」

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