独バイエルから2015年に分離した素材化学品メーカーのコベストロ(本社ドイツ・レヴァークーゼン)が今年5月、「サーキュラーエコノミー」(循環型経済)の推進を打ち出した。同社の主力は石油を原料にする化学素材だが、「事業を根本から変えないと生き残れない」との危機意識があった。米丸公康・コベストロジャパン社長に戦略を聞いた。(聞き手・森 摂=オルタナ編集長、池田 真隆)

米丸公康・コベストロジャパン社長  写真:川畑嘉文

温室効果ガスの排出量を実質ゼロに

――コベストロのドイツ本社はサーキュラ―エコノミーの推進を打ち出しました。ただ、貴社は石油産業なのでその実践は容易でないと考えます。どのように推進していかれますか。

原料メーカーは一般ユーザーとの距離があるため、海ゴミなどの元凶と思われやすい面もあります。その上、地球規模でサステナビリティへの意識が高まってきているので、社会からの圧力は日に日に増していると感じます。

プラスチックは生活の利便性を格段に上げた一方で、海洋プラゴミや温暖化の原因にもなっています。そんなプラスチックを環境配慮に変えることで、サーキュラ―エコノミーを推進していきたいのです。

プラスチック素材は化学製品であるため、材料に戻すことができます。また、化石原料ではない代替原料を選び、自然エネルギーを使ってプラスチックを製造していきます。私たち一社だけで取り組むのではなく、様々なパートナーと手を組むことで、新たなビジネスチャンスになると考えています。

――世界規模でサーキュラーエコノミーを推進するには何が重要と考えますか。

コベストロの売上高(2019年)は124億ユーロ(約1兆5300億円)と世界最大手のポリマー製造企業です。当社は33カ国に支社がありますが、グローバルでサーキュラーエコノミーを推進していくために、パーパス(存在意義)が果たす役割は大きいです。

当社のパーパスは、「世界を明るくより良い場所に」です。その実現に向けて、2015年に国連グローバル・コンパクト(UNGC)に加盟しました。国連と約束した10原則への取り組みが評価され、2018年に国連グローバル・コンパクトLEAD企業にも認定されました。

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