これらの国内議論は、数年前から「ソーシャルIPO」という考え方で始まっていた。エドテックのライフイズテック・水野CEOの提唱概念とされている。
米国では今年、株主以外のステークホルダーへの利益還元を求める「Bコープ」と呼ばれる認証を受けた企業が相次いで上場した。日本にもBコープ認証企業はあるが上場企業ではまだない。
これらの上場は、簡単にいえば、株主を最優先するではなく、時には投資家への利益貢献度を下げてでも、社会課題解決に貢献することだ。もちろん、課題解決に貢献できることは、多くのステークホルダーから必要とされるビジネスモデルの構築に貢献することにつながり、サステナブルになることができる可能性が高い。
時代が変わる瞬間は、最初は大きな変化がないものだ。このSDGs IPO を投資家がどこまで受け入れるのか、そして調達資金の活用による社会的インパクトはどの程度のものなのか。新しい時代の幕開けとなるか、ものめずらしさ以上の成果が生まれないのか、注目だ。