新型コロナワクチン購入を巡る、米政府の動向

11月8日、ファイザー社が開発したワクチンが95%以上の有効性を確認したというニュースが世界中を巡った。それでも米政府がファイザー社からの提案を受け入れることはなく、追加購入には至らなかったとニューヨーク・タイムズは伝えている。ファイザー社は11月11日、2億回分のワクチンをEU(欧州連合)へ提供すると発表した。

米政府はパンデミック以降、早期のワクチン開発とコロナウイルスの収束を掲げてきた。しかし、米国企業であるファイザー社が開発した世界初の新型コロナウイルスワクチンは、初期の供給においてはその大部分が欧州に供給されることになった。

12月23日、米政府はようやく、ファイザー社から追加で1億回分のワクチン購入の契約を結んだと発表した。今回はさらに4億回分の追加購入を可能にする内容だ。米国内の希望者は、2021年の6月までにワクチン接種を受けられる見込みとなった。

一方で、短期間での開発による不安の声も大きい。CBNニュースは12月7日、ニューヨークの消防署職員の55%がワクチンの接種を希望しないとの調査結果を伝えている。 ワクチンへの不安を払拭するため、元大統領のバラク·オバマ、ジョージ·W·ブッシュ、ビル·クリントンの3氏は、公の場でワクチン接種を行うと表明した。

ジョー·バイデン次期大統領は、12月22日にテレビカメラの前でワクチン接種を受け、その様子は世界へ生中継された。ドナルド·トランプ大統領は、ワクチンの早期開発実績をアピールするものの、自身の接種については触れていない。

midoriyamanaka

山中 緑・米ポートランド

北海道オホーツク育ち。ローカル新聞社を経営する両親のもと、地域の産業や街づくりを身近に感じて育つ。海は冬になると氷が流れてくるものだと思っていた。札幌の短大を卒業後、タウン誌の編集部勤務を経て1999年に単身渡米。アートセンターカレッジオブデザインにてコミュニケーションデザインを学び、学士号取得。デザインをベースとしたコミュニケーションの仕事に従事。2007年に独立。2013年に帰国するも、2018年に不登校の娘と二人で再び渡米。シングルマザー。執筆記事一覧

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キーワード: #新型コロナ

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