LGBT総合研究所(東京・港)が実施した「LGBT意識行動調査2019」(回答者約35万人)によると、LGBTQ・性的少数者に該当する人は10%いるとされる。2020年6月に施行されたパワハラ防止法では初めて、企業が性的指向や性自認に関するハラスメント対策を行うことやアウティングを防止することが義務付けされた。

企業には多様性を尊重した対応が求められている

「LGBTQ」は、レズビアン(同性を好きになる女性)、ゲイ(同性を好きになる男性)、バイセクシュアル(両性を好きになる人)、トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性と性自認が一致しない人)、クエスチョニング/クィアの頭文字で、性的指向(好きになる相手の性別)やジェンダー自認(自認する性別)に関する少数派の人たちの総称として使われている言葉だ。

「Q」は「クエスチョニング」あるいは「クィア」を意味する。クエスチョニングとは、自身のセクシュアリティが分からない人や決めていない人、決めたくない人、迷っている人のことなどを指す。クィアは「風変り」「不思議な」といった意味の英語だが、性的少数者を総称するときに使われる言葉でもある。

LGBTQに「+」を加えた「LGBTQ+(プラス)」という表現もあるが、この「+」は、カテゴライズされたものだけではない、多様なセクシュアリティを表している。

SOGIハラやアウティング防止を義務付け

パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)では、企業に対し、性的指向や性自認に関するハラスメント「SOGI(ソジ)ハラスメント」や、本人の了解を得ずにセクシュアリティを暴露する行為「アウティング」を防止することを義務付けている。中小企業は2022年4月から対象になる。

「SOGI」は、Sexual orientation(性的指向)とGender identity(性自認)の頭文字を取った言葉だ。

厚労省が行った職場におけるLGBTに関する実態調査(2020年発表)によると、自身が職場で経験したハラスメントとして、「容姿や外見に言及する」「『男らしさ』や『女らしさ』を要求する」「恋人の有無や結婚・出産の予定に言及する」を挙げる人がそれぞれ2~3割近くに上った。

「性的マイノリティが働きやすい職場とは、どのような職場だと思うか」(複数回答)という質問に対しては、「性的マイノリティであることを理由に、人事評価や配置転換、異動等で不利な扱いを受けない職場」が60.5%で最も多く、「セクハラやパワハラなどのハラスメントがない職場」が52.6%、「性的マイノリティへの侮辱的な言動をする人がいない職場」が52.1%と続いた。