LGBT法連合会事務局は5月21日、自民党が20日に開いた「LGBT 新法」に関する会合内で、「LGBTは道徳的に認められない」「種の保存に背く」などの差別発言が出たことに対して、緊急の声明文を発表した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

声明文は下記の通り。

一般社団法人 性的指向および性自認等により困難を抱えている
当事者等に対する法整備のための全国連連合会
(略称:LGBT 法連合会)
代表理事・理事 一同

2021 年5 月20 日、自由民主党は政務調査会内閣第一部会と性的指向・性自認に関する特命委員会合同会議を開催し、いわゆる「LGBT 新法」の与野党合意案に関する条文審査を行なった。

報道によれば、会議の中で「道徳的にLGBT は認められない」「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」との発言があったほか、19日の自由民主党内の会議ではトランスジェンダーのスポーツ参加に関して「ばかげたこと」との趣旨の発言もあったとされる。

これが事実だとすれば、当事者ばかりでなくその家族や友人など関係する人びとをも傷つけ、その存在を否定する、到底看過することのできない発言であり、極めて遺憾であると言わざるを得ない。

今回の「LGBT 新法」の与野党合意案の作成にあたっては、自由民主党を含む与野党議員の多大な尽力があったものと認識している。その尽力に敬意を表するところは、5月14 日の声明から変わるものではない。

一方で、報道されている一部議員の発言が事実であったとすれば、これまで積み重ねられた議論の中で確認されてきた事実や知見に基づかないばかりか、過去に社会から大きな批判を受けた発言等と同趣旨の発言を、まさに差別をなくすための法案の審査の席上で行なったものとして、極めて重く受け止めるものである。

政府は現在のところ東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するとしている。その開催の是非については、社会的に否定的な意見も聞かれるが、オリンピック・パラリンピックの開催をめざす中で、またその大会においてトランスジェンダーも含めたLGBT 当事者の選手の参加も見込まれる中で、このような発言があったのだとすれば、明らかなオリンピック憲章違反であり、開催国として、国際的な問題にも発展しかねないと考える。

当会は、この発言が事実であった場合には、その意図についての説明と、改めて適切な認識に基づく議論がなされる必要があることを指摘する。

加えて、このような状況こそが、差別をなくすための法律が必要な立法事実であるということを重ねて指摘せざるを得ない。当会は引き続き、差別のない社会に向け、全力で取り組みを進めるものである。