セブン&アイ・ホールディングスは2月15日、サントリーなど12社が2020年6月に共同出資して立ち上げたアールプラスジャパン(東京・港)に資本参画し、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組むことを発表した。同社は2050年までの長期環境目標を定めた「GREEN CHALLENGE 2050」のなかで、「循環経済社会(サーキュラー・エコノミー)」の実現を目標に掲げている。(オルタナ副編集長=吉田広子)
セブン&アイは2019年5月、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を発表し、「循環経済社会」の達成に向けたプラスチック対策に取り組んできた。
ペットボトルに関しては、グループで約1000台(2021年1月末現在)のペットボトル回収機を店頭に設置し、2019年度は約9800トン(500mlペットボトル換算で約3億6000万本)を回収しリサイクルしている。
今回資本参加するアールプラスジャパンは、米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めている。
今回の技術は、ペットボトルを含むプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術で、従来の油化工程を経由するよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待されているという。
当初、サントリーのほか、アサヒグループホールディングス、東洋製罐グループホールディングスなど12社が資本参画し、このほどセブン&アイやカルビーなどが加わった。業界を超えた連携を進め、2027年の実用化を目指す。