国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京・新宿)は7月13日、調査報告書「日本のカフェ業界における使い捨てカップの現状」を発表した。日本で初めてカフェチェーンごとに使い捨てカップ消費量を算出し、その結果、大手9チェーンだけで年間3億6950万個以上の使い捨てカップを消費していることが分かった。なかでも最も多く消費していたのがスターバックス コーヒー ジャパンで2億3170万個だった。(オルタナ副編集長=吉田広子)
報告書によると、日本の大手カフェチェーン9社は、2020年に3億6950万個、推定で2808.8トン相当の使い捨てカップを排出した。
9社のうち最も1年間の使い捨てカップ消費量が多かったのはスターバックスで、その数は他の8社の合計よりも多い2億3170万個に上った。次に多かったのが7250万個のタリーズコーヒーで、プロントは3530万個だった。
スターバックスは2030年までに「廃棄物50%削減」というグローバル目標を掲げている。スターバックス コーヒー ジャパンは今年の春から、一部の店舗で、耐久性のあるカップを貸し出す「カップ循環プログラム」を実施するなど、使い捨てカップを削減する実証実験を展開している。
スターバックス、タリーズコーヒー、プロントの3社は他社に比較して店内利用における使い捨てカップ率の高さも目立っている。
9つのカフェチェーンすべてで、店内でのドリンクが繰り返し使えるマグやグラスでの提供になれば、1億5860万個の使い捨てカップ(1220トンのごみ)を削減できると推定される。
この結果をふまえ、グリーンピースは特に使い捨てカップ消費量の多いスターバックス コーヒー ジャパン、タリーズコーヒー、プロントの3社に対して、使い捨てカップから脱却を求める新たな署名を立ち上げるという。
グリーンピース・ジャパンプラスチック問題担当大館弘昌氏は、「スターバックスは脱使い捨てを実現するリユースの取り組みについて前向きな姿勢を示し始めているが、実際の取り組みは現段階においてはその消費量の大きさに見合っていない。同社には、野心的なリユース目標を日本で打ち出し、カップの大幅削減のために全国的なリユースの取り組みを進めることを改めて求めたい」とコメントしている。
報告書全文は、グリーンピース・ジャパンのウェブサイトからダウンロードできる。