独浄水器メーカーブリタジャパンと大阪府・大阪市は10月27日、海洋プラスチックごみ問題をはじめとした環境分野での事業連携協定を締結した。「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けて、マイボトル普及拡大などに取り組む。大阪府・市が同ビジョンをテーマに民間企業と事業連携協定を締結するのは初となる。

事業連携協定締結式で。左から、南部和人・大阪府環境農林水産部長、マイケル・マギー・ブリタジャパン社長、堀井久司・大阪市環境局理事

大阪湾のプラごみ、30年度に半減へ

2019年6月に開かれたG20大阪サミットで、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有された。2021年5月時点で87カ国・地域が同ビジョンを共有している。

大阪府・大阪市は同ビジョンの実現に寄与することを目指し、2021年3月に「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」実行計画を策定し、次の2つの目標を掲げている。

① 2030年度に大阪湾に流入するプラスチックごみの量を半減する

② 河川・海域の水質に係る国の環境基準を100%達成、維持するとともに、水環境に関する市民満足度を40%まで向上する

大阪府・市は、目標達成に向けて、「プラスチック製品の使用抑制と環境への流出の削減」「プラスチックの資源循環に向けた地域活性化のシステム推進」「海洋プラスチックごみ発生抑制のための国際協力」「良好な水環境の創造」「あらゆるステークホルダーとの連携」の5つを柱に掲げ、施策を展開している。

それらを推し進める取り組みの一環として、今回の事業連携協定が実現した。

大阪府環境農林水産部の南部和人部長は、「大阪府、大阪市、ブリタジャパンの3者で連携し、『大阪ブルー・オーシャン・ビジョン』の早期実現に向けて、着実に取り組みを進めたい」と意気込む。

ブリタは「水の飲み方を持続可能な方法に変える」というミッションを掲げる浄水器メーカーだ。同社は、深刻化する気候変動や海洋プラスチックごみ問題に危機感を募らせ、グローバルで製品と企業活動を通じたソリューションの提供を進める。

ブリタジャパンは2019年6月、使い捨てプラスチックごみ問題の解決を図ろうと、「BRITA Eco Water Action 2021」(ブリタ・エコウォーター・アクション2021)を立ち上げた。同社は荒川河川敷のクリーン活動、富士山の育林活動など、環境保全への取り組みを実施してきたが、自社の活動にとどまらず、組織を超えた連携「コレクティブ・インパクト」(集合的な成果)を進めるのが目的だ。

自治体との連携は、京都府亀岡市に続き、2例目となる。同社のマイケル・マギー社長は「海洋汚染をなくすという3者共通の思いを具現化していくのが今回の連携である。一社単独でできることは限られており、多くのパートナーが目標をともにすることで、より大きな成果につながる。『コレクティブ・インパクト』で、環境問題に貢献していきたい」と語った。

気候変動対策とプラ削減を両立

ブリタジャパンは、「マイボトル」「給水スポット」の普及や海洋プラごみ問題に関する啓発、海外への情報発信、水辺の清掃活動、環境教育などで協力を図る。具体的にはボトル型浄水器やタンク型浄水器の提供や店頭での情報発信、大阪府内の高校生を対象にした環境教育の実施などを予定している。

こうした活動内容をドイツのブリタ本社をはじめ海外にも発信していく。

大阪府環境農林水産部の岡野春樹副理事は、「大阪府も大阪市も2050年カーボンニュートラルを目指している。化石燃料が原料のプラスチック製品の使用抑制は、海洋汚染だけではなく、気候変動対策にもつながる。2025年には大阪万博を控えており、こうしたサステナビリティの取り組みを世界にアピールしていきたい」と話す。

大阪府は2020年3月、多様な主体と連携して、マイボトルの利用啓発や給水スポットの普及を図る「おおさかマイボトルパートナーズ」を発足。ブリタジャパンも同枠組みに参画し、その一環として、ボトル型浄水器アクティブを3100本提供した。

大阪市環境局の堀井久司理事兼エネルギー政策室長は、「大阪湾にもペットボトルが浮いているが、これは自然に発生したのではなく、人の手を介して自然界に流出してしまったものだ。こうしたごみを1本でも減らしていかなければならない。環境課題の解決には、市民や事業者といったステークホルダーとの連携が必要不可欠だ」と語った。

(PR)(オルタナ67号から転載)