1918年創業の紙製品メーカーの羽車(大阪府堺市、杉浦正樹代表)は6月末まで、製造時の余り紙や試作品をメモ用紙や封筒など新たな商品に生まれ変わらせる「0円ペーパー キャンペーン」を展開している。期間中にオンラインストアで商品を購入すると、アップサイクルされた商品が2点まで無料でプレゼントされる。6月5日の世界環境デーに合わせた取り組みで、環境意識の向上を目指す。(オルタナ副編集長=吉田広子)

羽車は2011年1月、製造時の紙ごみを減らすため、品質の良い余り紙をメモに仕立て、0円で提供する「0円メモ」の取り組みを開始した。
それまでも紙ごみはリサイクルしていたものの、魅力ある商品にアップサイクルし、無料で提供することで、環境に関心を持つきっかけづくりを行う。
同社企画広報部の永田留美さんは「余り紙を可愛くリサイクルする海外の取り組みを知り、こうした再利用方法を知ってもらいたいという思いもあって『0円ペーパー』を始めた。『紙ごみ』ではなく、資源としておしゃれな商品に生まれ変わらせることで、少しでも環境意識が高まるきっかけになれば」と期待する。
2020年までの9年間で、余り紙や試作の紙など累計10トン以上(1万個以上)が「0円ペーパー」として再利用されたという。
2020年にはSDGs(持続可能な開発目標)を推進する社内チームが立ち上がり、目標12「つくる責任・つくる責任」をさらに進めるためにも「0円ペーパー」のラインナップを拡充した。
メモ用紙以外に廃番の紙から仕立てたミニカードやコースター、試作品として使った質感の良いオリジナル紙素材の正方形封筒など、形やデザインに創意を加え「0円ペーパー」シリーズを展開する。
このほか、環境に配慮する取り組みとして、森林認証紙の利用を促進するほか、販売できなくなった商品を幼稚園や保育園に寄付している。