スイス政府は6月下旬、3カ月続いた新型コロナウイルスの非常事態宣言を解除したが、大型イベントの禁止、1.5メートルのソーシャルディスタンス確保など、引き続き措置が実施されている。しかし、欧州内での人の行き来が再開したことで、スイス各地でクラスターが発生し、7月6日からは公共交通機関内でのマスク着用が「推奨」から「義務」に変わった。そうしたなか、公共の場で顕著にごみが増えるという困った事態が起きている。(チューリヒ=岩澤里美)

街なかでごみ拾いを行うIGSUのスタッフ(撮影:Mischa Christen)

■各地でごみが急増
ロックダウン中は、スイスでも不要な外出をしないという措置にほとんどの人が従っていた。散歩や屋外での運動は最大5人まで一緒に可能で、筆者も1人でまたは家族と近所を散歩していた。

ただし、いくら工夫して家で楽しく過ごそうとしても、好天の週末や連休はやはり外に出たくなる人は多い。普段は散歩しない人たちも自然に触れあおうと出かけることが増えた。

森や川岸・湖岸などのウォーキングコースには、ごみ箱が十分に設置されていない。多数の訪問者のためにごみ箱がごみであふれ、違法行為のポイ捨て(たばこの吸い殻やパッケージ類が多い)も目立ったことが相次いで報道されている。

「クリーンな環境のための利益団体(IGSU)」によると、ポイ捨てに関しては、通常なら、気が付いて拾ってごみ箱へ捨ててくれる人たちもいるが、ごみを通しての感染を恐れて、その善良な行為が控えられたことも増加した理由だという。

ごみが増えたのは自然のなかだけではない。レストランが閉鎖している間、テイクアウト利用者が増えて屋外で食べた人も多く、テイクアウト用のプラスチックパッケージがポイ捨てされた。加えて、使用済みマスクや手袋がポイ捨てされていることも多くの自治体で明らかになった。

■ポイ捨て防止の全国キャンペーン

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