英国政府が1月、北イングランドで新たな石炭開発事業を認可し、波紋を呼んでいる。温暖化ガス排出係数が高い石炭の新鉱山開発に対して、環境団体は猛反発している。地元自治体は雇用確保の観点から計画を後押ししており、CCS(二酸化炭素の回収・貯留)を含む環境対策も万全だとし対立は続きそうだ。英国は昨秋、10項目からなるコロナ禍からの復興と成長プラン「グリーン産業革命」を発表したが、早くも黄信号が付き始めた。(ロンドン=冨久岡ナヲ)

ウッドハウス炭鉱の完成予想図。農業施設のような外観だ
(c) West Cumbria Mining

「グリーン産業革命」は、2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指し、排出量の削減をはじめとする戦略を打ち出している。2025年にはCCS機能のない石炭火力発電所をすべて閉鎖するほか、12月には海外の化石燃料プロジェクトへの公的資金援助や貿易促進を終了していくと発表した。

こうした方針に逆流するかのように1月、カンブリア地方自治体がウッドハウス炭鉱新設計画にゴーサインを出し政府はその決定を支持した。実現すれば実に30年ぶりの新炭鉱となる。計画の段階から環境団体や科学者などの激しい反対にあい、「排出量ゼロ元年の前年である2049年まで」という条件つき営業許可となったが、年間278万トンという採炭事業の是非を巡り議論が続いていた。

CCSや植林でコークス生産のCO2を相殺

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