「多くの紛争が解決に至っています」と述べていますが、適切に解決されているのかは明らかではありません。紛争が解決された村の名前も明かされておらず、APPが「紛争が解決に至った」と主張する地域が特定できないことから、現地での検証もできません。APP側からの情報提供がなく、建設的な対話が困難な状況に陥っていると考えます。

2020年3月には、長年抗議を続けているインドネシア、ジャンビ州のルブク・マンダルサ村の農場に、APPの管理下にあるウィラカリヤ・サクティ社が、作物を枯らす除草剤をドローンを使用して散布しました。同社はまた、軍関係者を紛争中の土地に連れて行き、人々を土地から追い出すために、空中に2回発砲して脅迫しました。

このような状況を受けて、2020年5月、多くの国内外のNGOが、APP社が土地紛争に関係した事件について公開レターをAPP社に送付しています。

APP社の紛争解決ガイドラインが不適切なことに加えて、土地開事業に対する先住民族や地域コミュニティの「先住民族の自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent、注)の権利尊重に関する実施確認の手順も不十分です。

RANは2020年12月、APP社も含むインドネシアの複合企業グループ10社のFPICに関する方針と手続を評価・分析した報告書「FPIC実施原則の必要性」を発表しました。APP社は、FPICの方針と手順に課題があり、強化されなければならないことがわかりました。

APP社には、自社の正当化と宣伝を繰り返して、企業としての責任を回避するのではなく、NGOからの批判を「中傷的なキャンペーン」と決めつけることなく、真摯に受け止めて課題に取り組み、実態に基づいた発言と行動をしていただきたいと思います。

注:FPICとは、先住民族と地域コミュニティが所有・利用してきた土地等に影響を与える開発に対して、自由意志による、事前の、十分な情報を得た上で同意する、または同意しない権利のことをいいます。

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