認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウと日本ウイグル協会は4月8日、新疆ウイグル自治区で起きている強制労働に関与している疑いがある14の日本企業に対して、即時の取引停止を求めた。同NPOなどは、それらの企業に対して、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく対応を求めてきた。同原則の趣旨では、人権侵害が発覚した場合、予防や軽減を求めているが、今回は中国政府が主導している深刻な問題として、即時の取引停止を強調した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

NPOなどは、オーストラリア戦略政策研究所(以下ASPI)と組んで2020年8月、新疆ウイグル自治区で起きている強制労働と日本企業の関連性についてまとめた報告書を公開した。その中で、企業に対しては、国連が定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」に従って行動を果たすべきと提言した。

同原則では、事業活動などで人権侵害が発覚した場合、取引先などに対して人権侵害の予防、軽減を働きかけることを求めている。即座の取引停止を求めることは、同原則の趣旨に反するが、NPOなどは「本件において問題となっている人権侵害は国家が主導するものであり、企業として関与すること自体が既に人権侵害への加担・助⾧であり、これを予防、軽減、救済することは極めて困難である」と強調した。

現在までに、パタゴニア、H&M、イケアなどは新疆ウイグル自治区からの素材調達やコットンの購入を停止したことを表明している。

国連ビジネスと人権に関するワーキンググループの副議⾧であるスーリヤ・デヴァ氏は、企業の責任について、「多くの企業が、直接的か、サプライチェーンを通じて、疑惑に関与している。企業は見て見ぬふりをしてはならない。指導原則に沿って、意味のある人権デューディリジェンスを行い、人権侵害を特定し、防止し、緩和し、説明しなければならない」と述べている。

今回、同NPOが公開した報告書には、ASPIによって関連性を指摘された企業名が公開されており、新疆ウイグル自治区への関与について、NPOからの質問への回答が載っている。

NPOが質問書を送った日本企業は、ソニー、日立製作所、TDK、東芝、京セラ、三菱電機、ミツミ電機、シャープ、任天堂、ジャパンディスプレイ、良品計画(無印良品)、ユニクロ(ファーストリテイリング)、しまむら、パナソニックの14社。

14社の回答内容。画像をクリックすると拡大します

報告書「ウイグル自治区における強制労働と日系企業の関係性及びその責任」