エシカルとは、英語のethic(倫理)の形容詞です。直訳すると「道徳的な、倫理的な」という意味ですが、ビジネスの世界では社会や環境への配慮を表す価値観やライフスタイルを指します。

エシカルの発端は英国です。1989年、マンチャスター大学の学生によって創刊した専門誌「エシカルコンシューマー」。同誌では、企業や商品のエシカル度を測定する「エシスコア」という独自の指標を定め、多くの企業や製品のエシカル度を測りました。

この流れが9年後の1998年には、英国でNGO、企業、労働組合からなる「エシカル・トレード・イニシアチブ」が発足しました。国際労働機関(ILO)が定めた、労働権に関連した基本的国際原則を指針として導入し、労働者の労働条件と生活の改善を進めています。

日本では、2007年のボルヴィックの「1L for 10L」の寄付付き商品が注目を浴びると、それ以降、女性ファッション誌やライフスタイル誌が新たな消費の選択肢としてフェアトレードや寄付付き商品と並んで「エシカル消費」の特集をし始めました。

2015年のSDGsの採択によって、エシカルの意味合いは大きく変わりました。それまでは、「エシカルで売れるか」がテーマでしたが、採択後は事業活動の前提にエシカルが入りました。今後は、「材料原価やサプライチェーンでのコストがかさむエシカル商品で、どう利益を上げるのか」がテーマになりました。

つまり、エシカルは「利己と利他の両立」という付加価値を持ったフェーズから、サステナブルなビジネスの基本要件へと転換したと言えます。

*参考:2021年度版CSR検定3級「エシカルなビジネス」から抜粋して一部編集しました