高校生が社会課題を解決するビジネスモデルを発表する「高校生みんなの夢AWARD2」が8月4日、オンラインで開かれた。全国から153人がエントリーし、10人がファイナリストとして登壇した。グランプリには、「源平合戦の体感ツアー」を提案した尾崎光さん(岡山県立岡山大安寺中等教育学校6年)が選ばれた。尾崎さんは「みんなが訪れたくなる街づくりをしていきたい」と語った。

「源平合戦の体感ツアー」を提案した尾崎光さん(岡山県立岡山大安寺中等教育学校6年)

「高校生みんなの夢AWARD」は、社会課題の解決につながるビジネスモデルのコンテストだ。参加する高校生は、オンラインの事前学習コンテンツ「ソーシャルビジネス学習プログラム」を受講し、社会課題やビジネスの仕組みを学んできた。

グランプリに選ばれた尾崎さんは、倉敷への観光客は多いものの、宿泊する割合は2割以下にとどまることを知り、倉敷の観光資源の掘り起こしとして「源平合戦の体感ツアー」を提案した。

838年前の「源平合戦」では、平氏が金環日食を利用して、勝利を勝ち取ったという。そこで、近隣の科学センターに相談し、当時の金環日食をプラネタリウムで再現した。2021年11月には、トライアルとして源平合戦の体感ツアーを実施する予定だ。

社会課題を解決するビジネスモデルをつくりたい

準グランプリには、水谷優芽さん(広島県立加計高等学校3年)、平田泰一さん(郁文館夢学園郁文館高等学校3年)、中野実桜さん(立命館宇治高等学校1年)の3人が選ばれた。

水谷さんは、熊本県内の有名シェフとコラボし、地元安芸太田町産の菊芋を使ったサブレを開発。食物繊維が豊富な菊芋のサブレを販売することで、中山間地の活性化を図るとともに、東南アジアで増えている糖尿病問題の同時解決を目指した。

ジャージー牛のオス肉を使用した高級なグルメバーガーを提案するのは、平田さんだ。乳牛として知られるジャージー牛のオス肉は、赤身で油が黄色く、小柄でコスパも悪いことから、無価値なものとして年間約2000頭が処分されている現状があるという。

一方で、生産者の間では「ジャージー牛のオス肉はおいしい」と評判だった。「捨てられてしまうなんてもったいない。自分で販売してみたい」と考えた平田さんは、デリバリー専門の高級なグルメバーガーを発案した。

「未来をつくる子どもたちにダイバーシティーの感覚を届けたい」。そう熱く語ったのは、中野さんだ。ダイバーシティーを体感できるボードゲーム「IROIRO(イロイロ)」を開発した。

中野さんは中学一年生のときに、スウェーデンの幼稚園を訪問し、母親が2人いる家族のポスターを見た。「先生は、家族の形は一つではないことを伝えていた。こうすればダイバーシティーな社会がつくれるのか」と気付きを得た。「多様性を当たり前にできない根深い固定観念を取り払い、自己肯定感を持ちにくい社会を変えたい。そうすれば差別やいじめの根絶につながるはず」と語った。