FAO(国連食糧農業機関、本部ローマ)はこのほど、世界漁業・養殖業白書を発表した。それによると、2009年に世界の水産物消費が1人当たり17キログラムと、史上最高の水準に達したという。また同報告書は乱獲などによって世界各地で漁業資源の枯渇の危険が続く傾向は改善されていないと指摘した。
漁獲高は09年に1億4500万トンになり、養殖が世界各国で盛んになっている。漁業と養殖業の従事者は世界で推定5億4千万人に達し、これも史上最多とみられる。また水産物貿易も08年には前年比9%増の1020億ドルになった。
また報告書では、違法な漁業が世界で年100~235億ドルのコストを生むと、その弊害を指摘。さらに漁業と養殖で、生態系の維持と開発を両立させた持続可能性への配慮の必要性を強調している。(オルタナ編集部=石井孝明)2011年2月3日