ネスレ日本やカルビー、ローソンなどの食品と小売18社が協力して、ひとり親家庭の食料支援に向けて動き出した。各企業は食品を提供し、NPOなどを通して貧困家庭に届ける。複数の企業とNPOがタッグを組み社会課題の解決に挑む「コレクティブ・インパクト」と呼ばれる取り組みとして注目だ。(オルタナS編集長=池田 真隆)

オイシックス・ラ・大地の高島社長

「食品業界の新しい支援の形を皆さんと一緒につくりたいです」――。今年7月、オイシックス・ラ・大地の高島宏平社長はオンライン会合でそう呼び掛けた。これは、「WeSupport」と呼ばれるプラットフォームの会合だ。

その会合に集まったのは、ネスレ日本、エスビー食品、カルビー、ダノンジャパン、森永製菓など日本を代表する食品メーカーの担当者たち。彼らに向かって、高島社長はコロナ禍で悪化したひとり親家庭の現状を訴えた。

月の収入が約17万円以下の家庭で暮らす子どもの割合は13.5%に及ぶ。子どもの7人に1人が貧困状態にあるとされ、その数はコロナ禍によってさらに増えたというデータもある。

高島社長は、「民間の有志が手を挙げて、協働して社会問題の解決に挑むこのやり方で、ひとり親世帯を中心とした子どもたちの食料支援に取り組みたい」と話した。

こうして生まれたのが、「WeSupport Family」という取り組みだ。仕組みはこうである。まず、この取り組みに共感した「サポート企業」が自社の食品を提供する。その食品は食料支援活動などを行うNPO団体を通して、当事者の子どもたちに届けられる。

12月15日から活動を開始したが、18社がサポート企業に名乗り出た。第一弾として、物流費の問題から支援対象を東京と埼玉に絞った。各地で活動する6団体を通して、貧困家庭の食料支援を行う。

SNS投稿に900いいね

もともとこの18社にはつながりがあった。高島社長は2020年4月、医療従事者への食料支援として、企業に協力を呼び掛けた。この活動を立ち上げた思いを自身のSNSで投稿すると、いいね数は900を超えるほどの反響があった。

コロナ禍だったので対面での説明はできず、すべてオンラインだったが127社が参画した。これまでに124カ所の病院で76万人の医療従事者の栄養を守ることに貢献した。

コロナも落ち着き、医療従事者への支援は必要ないと判断したが、国内有数の食支援プラットフォームとしてできたこのつながりを、子どもの貧困の解決に活かそうと考えたのだ。

そして、今年7月、冒頭の会合が開かれた。127社のうち18社が集まった。医療従事者支援と比べるとその規模は7分の1からのスタートとなるが、展開の仕方を工夫することで、参画しやすくした。

サポート企業には食品の提供だけでなく、寄付も受け付けた。集まった寄付金は食品物資の倉庫費用や、物流費に充てる。この活動は継続していく考えで、支援対象範囲も広げていくという。