KDDIは4月7日、カーボンニュートラルに向けた取り組み説明会をオンラインで開いた。同社はカーボンニュートラルの目標年を2050年に設定していたが、2030年に前倒すと発表した。全世界に持つデータセンターのカーボンニュートラルを2026年度に達成することを目指し、7月にはエネルギー事業を強化するため新会社を立ち上げる。(オルタナS編集長=池田 真隆)

KDDIは2020年5月にカーボンニュートラルの目標年を2050年に設定していた。このほど世界的な環境意識の高まりを受け、20年早め「2030年」に達成を目指すと宣言した。
カーボンニュートラルに向け、スコープ1と2に該当する基地局、通信局舎、データセンターに関しては他企業との連携、再エネ導入などを軸に取り組む。
基地局については、ノキアと組みAIで電力使用量を削減する。最大で50%減を目指す。通信局舎は三菱重工、NECネッツアイと液浸冷却装置を活用したコンテナ型データセンターを設置する。消費電力量を約43%減らす。
全世界に持つデータセンターは2026年度にカーボンニュートラルを目指す。ロンドンには再エネ100%で運営するデータセンターを開業した。
7月にはauエネルギーホールディングスを立ち上げ、既存のエネルギー事業を強化する。小規模分散型の再エネ電源の取り組みを進める。
多くの企業が課題にあげるスコープ3については、2021年7月に出した2030年までに2019年度比14%削減の方針を変えずに取り組む。
一つの施策は、環境系スタートアップへの投資だ。co2排出削減や循環型社会に貢献する環境系スタートアップに今後5年間で約50億円の投資を行う。
具体的な施策はこれから決めていくという。最勝寺奈苗・執行役員(サステナビリティ経営推進本部長)は、「毎年度の実績の算定やサプライヤーへのアンケートを通じて社内で対応を検討していく」と話した。