気候変動を止める市民活動を「必死でやることが自分の人生だと思った」ー青森市在住の薬剤師、中堀一弥(なかほりかずや)さんは、気候変動を特集したテレビ番組をきっかけに、行動することを決めました。
地元では気候変動について話せる人が少なかったので、まずは仲間探しからスタート。活動を通して出会った「ゼロエミッションを実現する会」の仲間に支えられながら、地元青森市に気候変動に関する請願書を提出し、請願書は採択されました。
中堀さんに、活動への思いや「ゼロエミッションを実現する会(ゼロエミ)」の仲間について聞きました。(パブリックエンゲージメント・林恵美)

■「覚悟を決めた」
2021年の3月に、BS朝日の「地球クライシス〜気候変動 壊れゆく世界」というテレビ番組を見ました。国立環境研究所の江守正多先生が出演されて、気候変動について詳しく扱った番組でした。
もともと環境問題に関心はあったのですが、この番組で、今やらないと手遅れになってしまう、と強い危機感を持ちました。いま8才の子どものことを考えても、何もしないという選択肢はもう取れない、と思いました。
自分が動くことで少しでも変わることがあるならと覚悟を決めて、未来のために行動を始めようと思ったんです。
■まずは仲間探しから
でも、情報がないし、地元の青森には気候変動について行動している人もあまりいないし、仲間探しが最初の活動でした。活動している人と繋がりたいと思ったんです。
インターネットで調べて、国際環境NGOのボランティア募集を見つけて、ドキドキしながら応募しました。そこでいろいろ情報を得られるようになって「ゼロエミッションを実現する会」を知りました。
そこで、自分が住んでいる・働いている街の自治体に対して、「陳情」や「請願」をするという方法があるんだな、と初めて知ったんです。自分一人だったとしても、個人で何かエコなことをするよりも、自治体に働きかけることでもっと大きな影響を出すことができるんだと思いました。
■地元青森市議会が「ゼロカーボンシティ宣言表明」を採択
初めての自治体への働きかけは、地元の青森市への「気候変動対策に関する請願」の提出です。まずは、気候変動対策を加速させるスタート地点として確実に請願を採択してもらうために、あえて具体的な数値目標を提示せず、「ゼロカーボンシティ宣言を出して、意欲的な目標と対策を作ってほしい」と求めました。
ラッキーなことに、青森市議会議員に情報提供や働きかけをしたことで青森市議会で「ゼロカーボンシティ宣言表明」の請願が採択されました。
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