香港やオーストラリアでホテル5カ所を運営する「オヴォロ・ホテル・グループ」(香港)は2月から、全ホテル内にあるレストランなどの飲食店5店すべてから肉メニューを一掃し、「ベジタリアン化」した。その背景には、ベジタリアンの増加と、消費者全体としても野菜中心の食事に関心が高まっていることがある。(ニュープリマス=クローディアー真理)
オヴォロ・ホテル・グループのベジタリアンフードへの移行は、2020年10月から行われたキャンペーン、「イヤー・オブ・ザ・ベジ」の成功に支えられている。365日間行われた同キャンペーン中、全ホテル内の飲食店すべてでベジタリアンフードのみを提供した。これがホテル側が予想していた以上に好評だった。顧客の要望が、「良いものを食べて、体も心も健やかに」というメッセージを発信するホテルとうまく合致した形となった。
「プランテッド」と名付けられた、今回の取り組みでは、ベジタリン化が徹底されている。ベジタリアン料理は、ホテル内のレストランだけでなく、ルームサービスでも楽しめるようになっている。ドリンクメニューにも、ウェルネス志向を反映し、健康的なノンアルコール飲料を充実させた。
オヴォロ・ホテル・グループの創始者、ギリッシュ・ジュンジュンワラ最高経営責任者は「私たちが、ベジタリアンフードを全ホテルの飲食店すべてで提供するまでの過程で、多くのことを学んだ」と言う。
「ベジタリアンへの移行や、既存のメニューにベジタリアンを取り入れることを検討している企業を支援し、業界の協力を活性化し、学んだことを共有したい」と、「ベジ・プレッジ・プレイブック2022」を作成。
ベジタリアンフードを提供するに至った経緯や、ベジタリアンフードを提供する前に知っておくべきこと、フードとドリンクメニューを決める際のヒントなどを掲載した。「ベジ・プレッジ・プレイブック2022」は、誰でも読めるようにと、同ホテルのウェブサイトで公開している。