避難区域のペットを助けて

福島第一原発に隣接する双葉町で路上をさまよう犬 4月2日 形山昌由撮影

福島第一原発事故で避難指示が出ている区域に置き去りにされたペットを動物愛護団体が救出に乗り出しているが、依然として多くの動物が助けられないままでいる。水も食料も無い状態で生き延びられるのは10日が限度ともいわれ、多くの命が危険にさらされている。

福島第一原発から半径20キロ圏内は原子力災害特別措置法によって立入禁止区域に指定され、住民が立ち入ることは出来ない。残された犬や猫などのペットは数万匹に上るといわれ、放射性物質による汚染の危険性に加え、飼い主不在による餌や水の不足が深刻な問題となっている。

動物愛護団体のエンジェルズでは、非難区域の外に避難した飼い主から500件以上の救助要請があり、ボランティアと共同で救出作業を行っている。2-3人でチームを作って避難区域内に入りペットを保護。除染した後に関東地区や静岡などのボランティア宅で一時預かりされ、そこからまた別のボランティアたちによって滋賀の本部まで運ばれる。すでに80匹を救助した。

犬や猫が中心だが、牛などの家畜を保護して欲しいとの要請もある。飼い主の多くは、避難指示が出た当初は数日で家に戻れると思っていた。だが、帰れる見通しの立たない状況が続いていることから、救出を要請してくる人が多い。リードを解かれているペットは自力で餌を探せるが、繋がれたままの犬は水も満足に取れないため、発見したときには死んでいた犬もいたという。

代表の林俊彦さんは「救助隊や保護したペットの一時預かり、搬送を各地でしてくれるボランティアが足りていない。皆さんの支援をお願いしたい」と話している。(形山 昌由)

エンジェルズhttp://angels2005.org/

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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