東電、低レベル汚染水を海に放出

東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所の事故で、東京電力は4月4日夜から低レベルの放射性汚染水1万5千トンを海に放出する作業を始めた。枝野幸男官房長官は5日午前の記者会見で「より高濃度の汚染水が海に流出するのを防ぐためのやむを得ない措置で、相対的に判断した」と釈明したが、一方で高濃度汚染水は6万トンに上るとみられ、今回の措置の効果は限定的だ。

放出された汚染水に含まれる放射性ヨウ素131の濃度は国が定める安全基準の100~500倍とみられ、原子力安全・保安院は「健康に影響はない」と説明する。しかし半減期の長い放射性物質が海産物に生物濃縮する可能性は否定できず、摂取による内部被ばくのリスクを中長期的に見極めるのは難しい。

またこの問題で韓国政府は4日夜、在日韓国大使館を通じて外務省に「国際法的問題の可能性がある」と懸念を伝えた。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年4月5日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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