東日本大震災のがれき撤去、問題噴出

東日本大震災からの復興の検討が始まる中で、被災地のがれきの撤去が問題になっている。環境省は7日までに、家屋のがれきの量は岩手、宮城、福島3県で阪神大震災の1.7倍になる約2490万トンに達すると推計。津波による自動車、ヘドロを含まないためにその量は増える見込みだ。政府はその費用を負担する方針だが、阪神の処理費用約3200億円を大幅に上回る見込みだ。

廃棄物処理法では、ゴミ処理費用は災害時も含めて地方自治体が行うことが定められている。今回は政府が負担する方針で、仙谷由人官房副長官は6日に東北市長会の奥山恵美子会長(仙台市長)らから要望を受けた際に「費用を含めて国が支援の枠組みを作る」と述べた。

ただし費用以外にも問題は山積する。政府はがれき撤去に数年かかると試算する。さらに福島県郡山市では「市に頼まれてきた」として、お金をだまし取る詐欺事件が3月に発生。進行中の東京電力福島第一原発事故では、原発半径20キロメートルの住民に避難指示が出ており、がれき撤去のめどが立たない。(オルタナ編集部=石井孝明)2011年4月8日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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