記事のポイント
- ネスレは「ネスカフェ プラン2030」を発表し持続可能なコーヒー栽培を推進する
- 2030年までに再生農業などに1500億円を投資、環境負荷低減にも寄与する
- 土壌に炭素を吸収・蓄積することで、2050年ネットゼロ実現にも貢献
ネスレは4日にコーヒー栽培を持続可能なものとする計画「ネスカフェ プラン2030」を発表した。具体的には2030年までに1500億円以上を投資して、「ネスカフェ」のコーヒーの90%以上を調達する主要生産地を中心に再生農業を推進する。同社が掲げる2030年にGHG半減、2050年ネットゼロの実現にも寄与する取り組みとなる。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

■コーヒー生産者支援の仕組みも
「ネスカフェ プラン2030」は再生農業の推進が中心となる。
再生農業は、土壌の健全性と肥沃度を高めて水資源や生物多様性の保護を目指すものだ。健全な土壌は気候変動の影響にも強く、収穫量を増やすことができる。生産者の生活向上も支援する。
またコーヒー生産者と協力して、複数の再生農業の有効性を検証、学習、評価する。「ネスカフェ」のコーヒーの90%を調達する主要な生産地で重点的に取り組む。主要な生産地はブラジル、ベトナム、メキシコ、コロンビア、コートジボワール、インドネシア、ホンジュラスの7カ国だ。
再生農業の移行に伴って生産者が負担するリスクとコストに対しても支援する。メキシコ、コートジボワール、インドネシアでは再生農業への移行を加速する資金援助のスキームを試みる。このスキームを通じて、各国での最適なアプローチを検証していく。
再生農業を推進することで、GHG排出削減にも寄与する。同社では「ネットゼロロードマップ」を掲げ、2030年にGHG排出量の半減、2050年にはネットゼロを目指す。今回発表したプランはこのロードマップの目標実現にも貢献する。