新潟県が「ピークカット15%大作戦」

ピークカット15%大作戦のロゴ

東日本大震災とそれに伴う全国的な電力不足が夏に懸念される中で、新潟県ではもっとも電力使用量が多くなる夕方の電力消費を最大限抑えようと、4月の平日に節電実験「ピークカット15%大作戦」を行った。

実験は「トライアル」(試行)と位置づけられ、第1回が4月13日の午後5時から同7時まで、第2回が4月27日の午後6時から午後8時まで全県で行った。両方とも平日の水曜だった。結果は第1回が前年の電力需要のピークに比べ17%減となったものの、第2回は5%減にとどまった。

新潟県は、今夏に電力不足が見込まれている東北電力の管内にある。ピークを15%減らして電力供給に余裕を作ることができれば、突然の大規模停電、電力会社による計画停電などのトラブルは避けられる可能性が高い。

トライアル当日、新潟県は県内の自治体と協力しながら、官公庁、公共施設で自家発電設備を稼働させたり、消灯やエレベーターの一部を停止したりするなど節電を行った。県の産業界にも協力を呼び掛け、商店街でアーケードの照明をすべて消す、一部工場では操業を停止するなどの取り組みが行われた。第2回目は前回と比べて時間帯をずらし、家庭の夕食時間帯に重ねることを試みた。

第1回では前日比でも9%減となった。2回目に備えて2週間にわたって県はPRに努めたが、第2回は前日比では9%減となったものの、昨年比ではそれほど減らなかった。

泉田裕彦知事は4月28日の記者会見で「(第2回では)夕食時間帯での節電の調整が難しかったのではないか。家庭用を含めた需要を15%減らすのは、相当ハードルが高いという認識を持つべきだろう」と述べた。 (石井孝明)

新潟県「ピークカット15%大作戦」第1回トライアル結果 プレスリリース

http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/1004/803/houdou0414AM.pdf

新潟県「ピークカット15%大作戦」第2回トライアル結果 プレスリリース

http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/257/819/houdou0428AM,0.pdf

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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