スーパークールビズで15%節電を

沖縄のかりゆしウエアに身を包んだ出演者が一同に会した

東日本大震災の影響で電力不足が懸念される今年の夏は、オフィスや家庭などで15%程度の節電が求められる。環境省は、例年より前後1カ月長い5月1日から10月31日をクールビズ期間に設定。特に6月1日からをスーパークールビズ期間として、一層の軽装を呼びかけている。これを受けて、節電につながるファッションやライフスタイルについて具体的なアクションを提案する「Super Cool BIZファッションショー&トークショー」が1日、都内の百貨店で開催された。

■クールビズとは「湿気を逃がす道をつくること」

冒頭、松本龍環境相が「政府は15%の電力削減を提唱しているが、一過性ではなくこれからの生き方やライフスタイルを変える大きな転換点としたい」と宣言。環境相在任中の2005年にクールビズを初めて提唱した小池百合子・元環境相(自民党総務会長)による「スーパークールビズは知恵を出して今夏を乗り切るんだというチャレンジ精神で楽しんで欲しい」との呼びかけに続き、テレビ各局キャスターとモデルらによるスーパークールビズのファッションショーが行われた。

第2部では、環境ビジネスに携わる女性経営者らで組織する環境ビジネスウィメンが企画した、具体的な節電アイデアについてのパネルディスカッションが行われた。人間は他の動物と違って全身から汗の水蒸気を出すので、クールビズを考える上ではこの水蒸気を逃すための道を作ることが大切とされる。環境ビジネスウィメンメンバーの善養寺幸子さん(株式会社エコエナジーラボ代表取締役)は「湿気は上から出やすいので、裾から首周りに風が抜ける道をつくることが体温を下げることにつながる」と解説。デザイナーの菊池武夫さん(クールビズ推進協議会共同代表)は「ビジネスシーンでも、シャツをウエストから出すカジュアルスタイルを提案したい」と話した。

■家庭の節電はエアコン室外機と冷蔵庫の熱を下げることから始めよう

続いて、住まいのクールビズとして環境配慮型のエコハウスで自宅を新築した小池元環境相からは「5月の電気代は4人暮らしで3,927円で、太陽光パネルで1万8,240円発電して黒字が出ました。家の一番日差しの強いところには、ヘチマで緑のカーテンをつけている」というエコハウスの成果報告があった。さらに、家庭での具体的な節電アイデアとして、環境ビジネスウィメンメンバーの大庭みゆきさん(株式会社環境エネルギー総合研究所代表取締役)は、4つのポイントを挙げた。

1、エアコンの室外機に水かけて温度を下げ、最も電力のかかる電源をいれた際の電力消費を抑える。

2、室内に直射日光を入れないために緑のカーテンをつける。

3、冷房をかけている室内では、できるだけ料理やアイロンなどで熱を出さない。熱を逃がすためには、換気扇を回す。

4、冷蔵庫の横は5センチすき間を開け、上には何も置かない。

■エネルギーを使わずに幸せに過ごせる社会モデルを

これを受けて、斉藤鉄夫・元環境相(公明党幹事長代行)は「エネルギーをたくさん使わなくても幸せに過ごせる社会のモデルを日本がつくらなくてはならない。楽しみながらやりましょう」と呼びかけた。さらに、村尾信尚さん(日本テレビキャスター)も「歴史上、人類が初めて肉体的生存のために心の意識改革をすることが必要になった。楽しくスマートに意識改革していきましょう」と語った。

エネルギーを使わなくても幸せに過ごせる社会。スーパークールビズをきっかけに、まずは一人ひとりであらためて自分の「生き方」そのものを問いてみる必要がある。(オルタナS 猪鹿倉陽子)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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