ドイツ電力各社 火力発電で動き急ぐ

一方、業界1位のイーオンは19日、天然ガスとバイオガスを同一供給網で提供するプロジェクトを開始した。今年末までにハンブルクを中心に北ドイツで毎時1700立方メートルのバイオガスを精製、液化ガスと混ぜて天然ガスの供給網に送り込み、8000世帯にガスを届ける。

同様の事業を他地域にも拡大し、2012年末までに計2000万ユーロを投入する計画だ。今後はバイオガスの比率を徐々に高めていくとしている。

ドイツ政府は原発に代わる発電手段として風力、太陽光などの自然エネルギー利用を奨励しているが、天候によって供給量が不安定であるため、蓄電体制が整うまではピーク需要に短時間で対応できる火力発電に頼らざるを得ない。

とりわけガス火力発電は化石燃料の中でも二酸化炭素の排出原単位が比較的小さいことから、ドイツ国内では2019年までに発電容量20メガワット以上の施設だけでも計16カ所の新設や最新化計画がある。

ただ、燃料をロシアやノルウェーからの輸入に頼るためにコストが高いのがネック。各社の動きはこれに対応したもので、業務や資本提携によりコストダウンを図るのが狙い。(ドイツ・デュッセルドルフ=田中聖香)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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