原発事故、損害賠償請求始まる

福島原子力災害での被害による賠償請求が本格化する。東京電力は8月30日に損害賠償金の算定基準を発表した。避難指示の対象者に精神的な賠償として8月分まで1人付き10−12万円、9月以降は5万円を支払う。政府の発表した中間指針に基づいたもの。

また原発事故の損害賠償の被害者と東京電力との和解を仲介する第三者機関「原子力損害賠償紛争解決センター」(東京都港区)で申請の受け付けが、9月1日から始まった。同センターは、原発事故の被害者を迅速に救済するために国が設置した。賠償の額や範囲について和解の仲介を弁護士らが中立的な立場で行う。

賠償の対象は、政府指示で避難したり、農水産物の出荷制限や風評被害を受けたりした個人や法人が対象となっている。しかし、自主避難をした人を賠償対象に加えていない、さらに肉牛など一部の産品の被害は、損害賠償の基準公表を見送った。

東京電力は約1100億円分の仮払いを実施。賠償件数は40万件以上になると見込まれる。同社は政府が9月中に発足させる原子力損害賠償支援機構に資金支援を求める。(オルタナ編集部=石井孝明)

■東京電力ホームページ 原子力損害への本補償に向けた取り組みについて

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11083005-j.html

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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