和綿愛好家の夢が実現、日本在来種のワタを使った製品が誕生

和綿シリーズの商品と綿花。和綿の綿花には独特の弾力がある

池内タオル(愛媛県今治市)は、11月17日、日本在来種のワタを使った新商品「和綿タオルハンカチ」「和綿ガーゼマフラー」「和てぬぐい」を発表した。

和綿(わめん)は綿毛が太く短く、紡ぎにくい。布団の中綿などに利用されていたが、輸入綿に押されて生産量が激減し、戦後は活用されていなかった。

同社は和綿にペルー産のオーガニックコットンを50%混ぜ、大正紡績(大阪府阪南市)の協力を得て「オエドニホンバシ」という糸を完成。

茨城県つくば市でオーガニック和綿を生産してきた「おらコットン」(村井和美代表)の2年分の収穫を78キログラムの糸に加工し、製品化を実現した。

同社に和綿を勧めたのは、綿布団を扱う企業出身の杉本会美氏が率いる「和綿倶楽部」。和綿の普及を願う人々の期待に、風力発電100%のグリーン電力でタオルを織る同社が応えた。

同社は和綿のしっかりとした風合いを生かす本物にこだわり、明治時代から浅草で続く「染の安坊」に協力を依頼。縫い目のない昔ながらの和手ぬぐいを、注染(ちゅうせん)という伝統的な技法で染め上げた。

池内計司社長は「綿は広い土地で少ししか採れず日本で作るのは大変なこと。しかも手摘みしないといけない。こういう和綿を使わせてもらって本当に感謝している」と語った。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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