双葉町長が政府対応を批判「罪深い」――国会事故調で

3月12日のSPEEDI予測データ。放射性物質が双葉町周辺に拡散

福島県双葉町の井戸川克隆町長は30日、東京電力福島第一原発事故に関する国会の事故調査委員会に参考人として出席し、原子炉から漏れた放射性物質の拡散を予測する政府のシステム「SPEEDI」のデータが公開されなかったことについて「国は責任を持って知らせるべきで、大変残念だった」と語り、政府の対応を批判した。

事故調査委員会は双葉町民が避難する埼玉県加須市内で開催。井戸川町長は「(予測データがあれば)避難の判断で違った方向に舵を切った。罪の深さは計り知れないほど大きい」と述べ、予測データを直ちに公開しなかった政府の対応によって、町民らの避難が遅れ、被ばくを余儀なくされた事実を指摘した。

井戸川町長は1月15日に横浜で開催された「脱原発世界会議」での首長会議に出席した際、福島第一原発1号機が爆発した3月12日を振り返り「空からちりが降ってきた。匂いもない。これが死の灰か。第五福竜丸を思い出した」と語っていた。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年1月31日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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