原子力ムラを笑え!「スイシンジャー」

原子力発電所の再稼働にむけた動きが活発化しつつある。原子力安全・保安院は13日、関西電力大飯原発3、4号機のストレステスト一次審査結果を妥当とする報告書を提出。民主党は15日、再稼働を容認する方向で調整を始めた。そうした中、ネット上で注目を集めているのが「絶対!!原子力戦隊スイシンジャー」だ。

■1ヶ月で動画視聴が約9万回

絶対原子力戦隊スイシンジャー

「原子力からの撤退は致しません!」「Get!Get!Get!原発マネー!」「安全性は国が保証致します!」――軽快なヒーローソングにあわせて登場した「絶対原子力戦隊スイシンジャー」は「東電レッド」「マスコミホワイト」「経産省ブルー」の3人でタッグを構成。原発の危険性を喧伝する「怪人反原発男」と死闘を繰り広げる。

そうした筋書きの動画が1月中旬、ユーチューブに公開され、これまでに9万回近く視聴された。動画をみた人からは「推進派を正義の味方として設定したことにセンスを感じる」など、好意的な評価が相次ぐ。

■芸人ら4人で制作 「続編」に意欲

前しか見えない「スイシンジャー」

スイシンジャーを制作したのは、若手の芸人や役者らでつくるユニット「尾米タケル之一座」だ。

「原発をめぐる本当のことが知られていないと感じる」。ユニットを主宰する中(なか)洋人氏は制作の動機をこう話す。

1月にユニットが都内で行った「反原発コントフェス」では、原発問題をネタにしたコントでほとんど笑いが取れなかった。「客が少なく、笑いのツボもズレている」。スイシンジャーの動画はコントの幕間の時間稼ぎに流すために制作したものだったが、こちらの方が「予想外」の反響を得た形だ。

「原子力ムラのやっていることは笑いでいうと『ボケ』。お笑いの力で世間の無関心と原発マフィアをやっつけたい」。中氏は続編の制作にも意欲を見せる。

これまでに公開されたのはテーマソングと予告編、反原発運動の悲哀をフォーク調のメロディーに乗せた「怪人の唄」だ。目下の課題は、仲間4人だけでは本編の制作までに手が回らないことだという。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年2月16日

尾米タケル之一座

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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