エチオピアのシープスキンを使ったレザーブランド「andu amet(アンドゥアメット)」のオンライン販売が4月22日に開始する。世界最貧国のエチオピアで皮革産業は大きな可能性を持ち、シープスキンはしなやかで肌触りが良く、世界最高レベルの品質とされる。外資系ラグジュアリーブランドのクリエーティブを担当してきた鮫島弘子さんが独立後、貧困問題を解決したいという思いで新しく立ち上げたブランドだ。
andu ametとは、エチオピアの言葉で「ひととせ」を意味する。その名の通り、同社の製品は使いこむほど身に付ける人の身体になじみ、表情を変えていく。
エチオピアは世界最貧国の一つだが、アフリカで1番、世界でも8、9番目に家畜を保有している。こうした資源があるにもかかわらず、現在皮にされているのはエチオピアで飼われている羊の3割のみで、残りは破棄されているという。
さらに生産されている皮の9割が、付加価値の低い原皮としての輸出に留まっていることから、国際価格に左右され、不安定な状況にさらされている。エチオピアに対して、干ばつや紛争などネガティブなイメージも強い。
そこで、andu amet(東京・港)の代表取締役である鮫島弘子さんは、2010 年に外資系ラグジュアリーブランドを退職し、エチオピアの皮革を使った製品づくりを進めてきた。2002年に青年海外協力隊としてエチオピアを訪れたのがきっかけだった。
日本で企画したデザインを現地で最終過程まで製造、輸出販売を行うことで、現状の貧困サイクルを自立サイクルへ転換させることを目指している。レザーのバッグや小物など同社製品の価格帯は、2~8万円。
4月22日には、オンラインショップが同社のフェイスブックページ内にオープンする。前日の21日には、プレスと一般向けに発表会が開催され、現在参加者を募っている。5月初旬から東京ミッドタウン(東京・港)の「イデアデジタルストゥディオ」で販売開始される。(オルタナ編集部=吉田広子)