諫早湾閉鎖から15年、開門を求める市民らがイベント開催

2001年の諫早湾(Wikimedia Commons.)

有明海の国営諫早湾干拓事業で潮受け堤防が閉じられてから、4月14日で15年が経つ。長崎県諫早市内では、午前に干潟の生き物のための慰霊祭、午後に農漁共存を考える集会が開催される。

諫早湾干潟慰霊祭は、閉門の翌年から毎年4月14日に行われている。本(もと)昭弘さん(84)と正子さん(81)が15年間、手弁当で続けてきた。

1997年に閉門された諫早湾では、ムツゴロウをはじめとする多種多様な干潟固有の生物が大量に死んで異臭を放った。それらの命を悼んで、本夫妻は湾の対岸の福岡県大牟田市から諫早市白浜町を訪れては、法事のように読経やお焼香、炊き出しを行っている。

午後の集会は、開門を求める市民らが主催する。講師として熊本県立大学の堤裕昭教授を招き、開門した場合の生態系への影響を学ぶ。

農地の造成などを目的に始まった干拓事業は、漁業に大きな被害をもたらした。農水省は部分的に開門する準備を進めているが、開門に反対する市民もいる。集会では、巨大事業が生んだ地域のひずみの解消を目指し、農業と漁業の共存を考える。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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