６月にブラジル・リオデジャネイロで開催される「リオ＋20」を記念して、WWFジャパン（東京・港）は、シンポジウム「地球 1 個分の企業経営 ～グリーンエコノミー時代を生きる」を６月7日に国連大学（東京・渋谷）で開催する。
シンポジウムでは、WWFからの提言、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング、日本コカ・コーラ、味の素などの企業の代表者が事例を紹介するとともに、今後の課題について議論される。
1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットは、気候変動枠組条約と生物多様性条約を世に送り出しただけでなく、それまでは企業の社会貢献活動の分野に過ぎなかった環境問題が本業での課題へととらえられる契機になった。それから20年を経て、今年リオデジャネイロに世界中の国々が集い、これから目指すべき姿が議論される。
WWFは、２年後ごとに『生きている地球レポート』を発表しているが、そのなかで、｢エコロジカル･フットプリント｣という数値を示している。この数値は、人類が地球に与えている環境負荷の大きさを知る手がかりとなる。
最新版の『生きている地球レポート』によると、世界のエコロジカル・フットプリントは、1970年代の半ばに地球1個分の生物生産力（および二酸化炭素の吸収力）のラインを超え、2007年の時点でおよそ1.5の数値を示しているという。
そこで、このシンポジウムでは、生態系サービスを利用して事業が成り立っているのにもかかわらず、許容量を超えたビジネスの現状を見直し、資源利用のあり方を考える。
シンポジウムの参加費は無料。詳細・申し込みはWWFジャパンのホームページで。（オルタナ編集部＝吉田広子）
WWFジャパン Rio+20開催記念シンポジウム
「地球1個分の企業経営 ～グリーンエコノミー時代を生きる～」
日時：2012年6月7日（木）9:30～17:30 （9:15開場）
プログラム：
午前の部 9:45－12:15
１．基調講演（１）
グリーンエコノミーに向けて～生きている地球レポート2012からのメッセージ
WWFインターナショナル自然保護部長 ラース・グスタフソン（VTR講演）
２．基調講演（２）
グリーンエコノミー時代の企業～ユニリーバにとっての生物多様性と気候変動
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
代表取締役 プレジデント＆CEO レイ・ブレムナー
３．パネルディスカッション 「企業の自主的な気候変動対策とは？」
報告「COP17（ダーバン会議）による企業の気候変動対策への影響について」
WWFジャパン自然保護室気候変動・エネルギーグループ
プロジェクトリーダー 池原庸介
ディスカッション「2013年以降の取組みの方向性について」
パネラー：佐川急便株式会社 総務部総務担当部長（環境担当） 石野順三
日本コカ・コーラ株式会社 環境パフォーマンスマネジメントグループ部長 髙杉洪太
日本テトラパック株式会社 環境本部マネージャー 金井路也
ＵＤトラックス株式会社
ファシリテーター：WWFジャパン 池原庸介
午後の部 13:30-17:30
４．発表（１）
世界の薬用・アロマティック植物の保全と企業のかかわり－フェアワイルドとは
トラフィックイーストアジアジャパン シニアプログラムオフィサー 金成かほる
ハーバルプロダクト・化粧品メーカー（予定）
５．発表（２）
持続可能なパーム油と認証
WWFジャパン自然保護室森林プログラム シニアオフィサー 村田幸雄
株式会社Control Union Japan 営業部 山口泰
６．発表（３）
海洋生物多様性保全と水産物調達
WWFジャパン自然保護室水産プロジェクトリーダー 山内愛子
イオン株式会社
７．発表（４）
生物多様性に配慮した調達の最前線 ～住宅メーカーの資材調達～
WWFジャパン自然保護室森林グループ長 橋本務太
ミサワホーム株式会社 経営企画部 ＣＳＲ・環境推進課課長 中田義規
８．発表（５）
バリューチェーンへの深化 ～紙と生物多様性～
WWFジャパン自然保護室責任調達（紙）担当 古澤千明
味の素株式会社 環境・安全部専任部長 杉本信幸
９．パネルディスカッション
「グリーンエコノミーに向けた企業の取組とは」
ファシリテーター：株式会社レスポンスアビリティ代表取締役 足立直樹
パネラー：味の素株式会社 環境・安全部専任部長 杉本信幸
イオン株式会社
日本テトラパック株式会社 環境本部マネジャー 金井路也
ミサワホーム株式会社 ＣＳＲ・環境推進課課長 中田義規
WWFジャパン自然保護室生物多様性とビジネス担当 粟野美佳子
