東電家庭向け料金値上げ、8.47%に圧縮

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政府は20日午前の閣僚会議で、東京電力が申請している家庭向け電気料金の値上げについて、値上げ幅を平均10.28%から8.47%に圧縮する政府方針を決定した。9月1日から実施される見通し。

年間で5兆7千億円以上と見積もられた今回の値上げの原価には、福島県内の原発6基の減価償却費と運転維持費として計900億円が算入されている。しかしこれらの再稼働の見込みは立っておらず、しかも福島県が復興ビジョンの理念の1つとして脱原発を明記している中で、こうした費用は根拠が不透明と指摘されている。一方で人件費については管理職の年収削減幅を拡大するなど、厳しく査定された。

値上げによる負担額は、電気料金を月に7千円程度支払っている家庭で360円程度と予想される。今回の値上げについて、消費者庁の検討チームのメンバーを務めた主婦連合会の佐野真理子事務局長は「東電原発事故の安定化維持費用、賠償費用も上乗せされ、さらに稼働していない原発のための電気料金を1003億円も支払う内容となっている。消費者の意思が反映されていない」と話している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年7月20日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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