毎月の使用明細で電気料金がタダに!? 「エネくじ」始まる

電力会社から毎月届く明細書。これに書かれた電気の使用量と請求金額を当選番号に用いる「エネくじ」の募集が15日に始まった。1等は何と電気料金半年分のキャッシュバックで、早くも数十件の応募があるという。

■「理不尽な値上げに対抗」

「エネくじ」。1等は半年分の電気料金をキャッシュバック

エネくじを企画したのは、ウェブサイト「エネとも」の運営などを手掛ける会社「みんな電力」(東京都港区)。明細書に記載されている電力使用量の下2ケタ、および請求予定金額の下4ケタを組み合わせた6ケタの番号を「応募番号」とし、当選番号を毎月25日に「エネとも」に掲載する。

6ケタの番号が全て一致すれば1等。本数は1本で、半年分の電気料金を最大10万円までキャッシュバックする。以下、1か月分の電気代を最大2万円まで還元する2等などが続く。

エネくじの「当たり番号」

エネくじのキャッチコピーは「理不尽な電気料金値上げに対抗」。東京電力が9月から家庭向け電気料金の値上げを実施し、請求を行うタイミングで始めた。

みんな電力の大石英司代表取締役は「自分の周りで電気料金の明細書を毎月チェックしている人はほとんどいない。多くの人は銀行口座から自動的に引き落とされており、値上げや電気のムダ使いに気づきにくい巧妙な仕組みだ」と、電気料金の徴収にまつわる問題点を指摘する。

■「使用明細を見る」動機づけに

エネくじの応募には明細書に書かれた使用電気量と請求予定金額が必要

エネくじを始めた理由について大石氏は「明細書を見ることで値上げやムダ使いなどの気づきが生まれ、電力消費の見直しが始まる。エネくじを通じて、毎月明細書を見るのが楽しみになるようにしたい」と説明する。

エネくじの応募フォームには「照明のLED化」「空調の省エネ化」などの質問項目も。応募者には節電などに関する商品やサービスを紹介するメールを配信し、電力消費者と省エネ・自然エネルギービジネスとのマッチングも図る。大石氏によれば「電気に関心を持ち出すと、太陽光発電などに高い確率で意識が向かう」という。

エネくじの初回応募締め切りは22日(月)。同社ではエネくじのスポンサーも募集しており、2回目以降は賞に協賛企業名を冠することも検討している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年10月17日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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