
一般社団法人グリーン経営者フォーラムは4月25日、「地産企消」をテーマにしたパネルディスカッションを行った。有機農業の拡大には、企業による買い支えが重要とし、その可能性を探った。(オルタナ編集部=佐藤 理来)
同パネルディスカッションは、都内で行われた「とことんオーガニックシンポジウム2015」(主催:一般社団法人フードトラストプロジェクト)の中で開催された。
パネラーには、全国有機農業推進協議会の金子美登理事長やOKUTA(オクタ)の山本拓己社長、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏らを迎えた。司会は、オルタナ編集長の森摂が務めた。
パネルディスカッションでは、有機農業を拡大していくには、中小企業による買い支え、「地産企消」が有効になるのではと森が提言した。オーガニックや有機栽培という言葉は認知されてきたものの、オーガニックに無関心な消費者は多く、一般販売では限界があると考えた。
活動事例として登壇したのは、オクタの山本社長と、埼玉県比企郡小川町で霜里農場を経営する金子氏だ。自然素材を使った家づくりをするオクタは、2009年から霜里農場の有機米を1kg400円で買い支えている。コメの買い取りだけでなく、研修として田植えなどの手伝いにも関わる。
小川町の農地面積のうち、13.4%で有機農業が行われている。金子氏は、「5~6%台で足踏みしていたが、オクタがかかわり、一気に10%を突破した」と話す。
山本社長は、「研修をきっかけにオーガニックの面白さを発見する社員や、霜里農場のある小川町に、自主的に出かける社員も増えた」と話す。場ができたことで、社員が行きやすくなったという。
藻谷浩介氏は、オクタと霜里農場の提携に対して「中小企業が買い支えることで、小規模生産のブレをバッファできてよい」と評価した。企業にとっても、「社員にグリーンな価値観が生まれ、社会との交流機会が増えていく」と勧めた。