KDDI×ローソン「未来のコンビニ」にサステナブル★セレクション

記事のポイント


  1. KDDIとローソンは6月23日、次世代型の店舗「リアル×テック ローソン」を高輪に開店した
  2. 人工知能(AI)やロボットを活用し、店舗運営業務の30%削減を目指す
  3. サステナブルな商品を集めた専用棚や使い終わった衣類の回収箱も設置した

KDDIとローソンは6月23日、次世代型の店舗「リアル×テック ローソン」の1号店として「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」を開店した。人工知能(AI)やロボットを活用し、店舗運営業務の30%削減を目指す。店内には、サステナブルな商品を集めた専用棚や使い終わった衣類の回収箱も設置した。(オルタナ輪番編集長=吉田広子、オルタナ総研事務局長=金子愛子)

ローソンの竹増貞信社長(左)とKDDIの松田浩路社長CEO
ローソンの竹増貞信社長(左)とKDDIの松田浩路社長CEO

■ AIやロボティクスで収益を改善する

KDDIと三菱商事は、ローソンの議決権を50%ずつ保有し、共同経営パートナーとして、ローソンの企業価値向上に取り組んでいる。

「リアル×テック ローソン」を「未来のコンビニ」と位置付け、リアルな店舗とKDDIの通信・テクノロジーを融合させ、新たな顧客体験の創出を目指している。KDDIが7月1日に本社を高輪ゲートウェイシティに移転するのに先立ち、同地に1号店を開店した。

KDDIの松田浩路社長は、「当社の強みである通信やデジタルの力を通じて、ローソンが描く『ハッピーな未来』に貢献していきたい」と語る。

サステナX

ローソンは、2030年度までに店舗オペレーションの30%削減と売上高の30%増加を目標に掲げている。AIやロボティクスを本格的に導入することで、合計60%の収益改善を見込む。

具体的には、効率的な店舗運営を支援するAIエージェントや、来店客の行動に応じて商品を推奨するAIサイネージなどを導入。さらに、から揚げの自動調理や清掃の自動化など、ロボットによる業務支援を進める。業務負荷の軽減を図り、人手不足への対応と働きやすさの両立を目指す。国内外で横展開する計画だ。

松田社長は「街との連携」も、今後のカギになると主張した。「JR東日本が持っている『街』というプラットフォームと連携し、公共サービスの提供やAIドローンによる地域の安全強化、防災に強い通信インフラの整備などにも取り組んでいきたい」と意欲を示した。

■ サステナ商品の専用棚や衣類の回収も

「サステナブル・セレクション」と連携し、サステナ商品の専用ゴンドラを設置

ローソン高輪ゲートウェイシティ店では、サステナビリティへの取り組みも強化した。店内には、サステナブルな理念と手法で開発された製品・サービスを選定する「サステナブル・セレクション」(オルタナ)と連携し、専用ゴンドラを設置した。

ボルネオ島の環境保全につながる「ハッピーエレファント」シリーズ(サラヤ、大阪市)や、有害な化学物質を使用しない「グリーンパン」(ワイ・ヨット、名古屋市)を展示している。

ハッピーエレファントは、「第三の洗浄成分」ともいわれる天然界面活性剤を配合した洗剤で、売り上げの1%がボルネオの環境保全活動に寄付される。グリーンパンはベルギー発の調理器具ブランドで、PFAS (有機フッ素化合物)を一切使用していないことが特徴だ。

さらに、店内にはローソンの廃棄ユニフォームや廃棄衣類を再利用した床材や建材を採用した。店舗では、使用済みの衣類の回収も実施し、循環型社会の実現に貢献したい考えだ。

ローソンの竹増貞信社長は「次の50年に向けた第一歩にふさわしい店舗ができたと感じている。私はリアル店舗の現場で育ってきたが、KDDIの協力を得てローソンが進化していくことに、大きな期待と喜びを感じている。この新しいコンビニを、これからのスタンダードにしていきたい」と語った。

yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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キーワード: #サステナビリティ

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