米タイム誌の「サステナブルな企業500社」にNRIやNECなど

記事のポイント


  1. 米タイム誌が選ぶ「最もサステナブルな企業500社」に日本から39社が入った
  2. 1位には、仏シュナイダーエレクトリック社が選ばれ、日本の野村総研やNECも上位に
  3. 化石燃料や森林破壊に従事する企業は、最初に選定対象から外れた

米タイム誌はこのほど、2025年「最もサステナブルな企業500社」を発表した。1位はフランスの電気・産業機器メーカーのシュナイダーエレクトリック社で、日本からは野村総研(NRI)と日本電気(NEC)がトップ10に入った。森林破壊や温室効果ガス排出量の視点でネガティブリストに入っている企業は、最初に選定対象から外れた。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子、植松美海)

日本から39社がサステナブルな企業として選ばれた

タイム誌は、独の統計データ企業スタティスタ社と共同で、世界30カ国超の企業の中から、最もサステナブルな企業上位500社を選出した。

ランキング上位には、金融、コンサルティング、通信、研究などを通じてデジタルサービスを提供する企業や、他社に再生可能エネルギーを供給する企業が多く並んだ。1位のシュナイダーエレクトリック社は、デジタルサービスや他社への再エネ供給の両方を手がけている。

シュナイダーエレクトリック社は、このタイム誌のランキング以外にも、2025年初にカナダのコーポレート・ナイツ社が発表した「世界で最もサステナブルな企業」ランキングでも1位(2年連続)を獲得した。

参考:「世界で最もサステナブルな企業100社」、25年も日本から3社

<タイム誌が選定した2025年「最もサステナブルな企業」トップ10>

  1. シュナイダーエレクトリック (フランス)
  2. テレフォニカ(スペイン)
  3. ブランブルズ (オーストラリア)
  4. テメノス (スイス)
  5. モンクレール (イタリア)
  6. 野村総合研究所(NRI) (日本)
  7. 日本電気(NEC) (日本)
  8. ナスダック (米国)
  9. シーメンス (ドイツ)
  10. サノフィ (フランス)

■日本からランクインした企業は39社に

日本からランクインした企業は以下の通り:

NRI(6位)、NEC(7位)、富士通(42位)、ソフトバンク(45位)、ソニー(106位)、アドバンテスト(124位)、NTTデータ(139位)、オリンパス(140位)、小野製薬(143位)、リコー(148位)、TIS(166位)、コマツ(171位)、電通(175位)、リクルートグループ(203位)、ニコン(235位)、ルネサス エレクトロニクス(256位)、積水化学工業(265位)、TDK(272位)、シスメックス(279位)、日産自動車(281位)、アサヒグループ(288位)、パナソニック(294位)、KDDI(322位)、中外製薬(346位)、ダイキン工業(360位)、第一生命ホールディングス(384位)、オムロン(388位)、セコム(404位)、損保ホールディングス(411位)、塩野義製薬(420位)、東京海上ホールディングス(431位)、マツダ(435位)、ヤマハ(450位)、日本電信電話(455位)、第一三共(459位)、ジャパンリアルエステイト投資法人(464位)、TOTO(466位)、東急不動産ホールディングス(481位)、キリンホールディングス(490位)

■最初に「サステナブルではない企業」を対象から外す

タイム誌と独スタティスタ社は、4つのステップで「最もサステナブルな企業」を選定した。

最初のステップでは、「サステナブルではない企業」を対象から外した。

化石燃料や森林破壊など、サステナビリティに反する事業や、森林破壊、GHG排出量、大気汚染等に関するレポートでネガティブリストに入った企業を自動的に除外した。

2つ目のステップでは、企業の取り組みを評価する第三者機関のスコアを参考にした。

具体的には、企業の環境対応を評価・格付けする非営利団体組織CDPの評価や、国連グローバル・コンパクトの遵守状況、企業の脱炭素目標が科学的な知見と照らして整合しているかどうかを見るSBTiに認定されているかどうか、といった点だ。

3つ目のステップで、各社のサステナビリティレポートなどでの開示内容を見た。

国際的なサステナビリティ開示基準を策定するGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などの基準に沿った開示をしているかどうかを確認した。

4つ目のステップで、各社が報告するKPI指標に対する進捗を評価した。具体的に考慮したKPIとしては、脱炭素目標、再エネ比率、リサイクル廃棄物の比率、取締役会や管理職における多様性、性別賃金格差、労働安全、離職率を挙げた。

■調査に使われたネガティブリストとは
■ネガティブリストに名が載る日本企業は

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北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

オルタナ輪番編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部、2024年1月からオルタナ副編集長。

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キーワード: #サステナビリティ

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