国際プラスチック条約の会合が再開するも今後の見通し示せず

記事のポイント


  1. 国際プラスチック条約について議論する会合がジュネーブで開催された
  2. だが、各国の意見の隔たりは埋まらず、議論を持ち越すこととなった
  3. 企業連合や環境NGOは、強固で法的拘束力のある条約を求めている

国際プラスチック条約について議論する第5回政府間会合再開セッション (INC-5.2) が8月5日から8月15日にかけて、スイス・ジュネーブで開催された。各国の意見の隔たりは埋まらず、次の会合に議論を持ち越すこととなった。企業連合や環境NGOは、強固で法的拘束力のある条約を求めている。(オルタナ輪番編集長・吉田広子)

■世界のプラ生産量は50年で20倍に

世界のプラスチック生産量は、この50年で20倍に増え、年間4億トンが廃棄されている。国連環境計画(UNEP)によると、生産されたプラの約36%は食品や飲料の容器包装に使われ、そのうち約85%が埋め立て処分や不適切に処理されている。プラスチックは石油を原料とし、燃焼すると大量の温室効果ガスを発生することから、気候変動の観点でも大きな問題だ。

こうした危機感から、2022年3月に開かれた国連環境総会で、「プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)」を採択することが決まった。当初は2024年中の合意が予定されていたが、最終的に合意には至らず、2025年に会合を再開することとなった。

(この続きは)
■危険で回避可能なプラは段階的に禁止を
■「全会一致の合意」に限界か
■ユニリーバやネスレは野心的な条約求める

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yoshida

吉田 広子(オルタナ輪番編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。2025年4月から現職。執筆記事一覧

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