日本一の夢は難病抱える23歳 「日本をUD先進国へ」

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受賞した喜びを話す垣内さん

日本一の夢に輝いたのは、難病を抱える車椅子経営者の垣内俊哉さん(23)だ。30日、夢とその実現性を競い合うコンテスト「みんなの夢AWARD3」が日本武道館で開催された。応募者411人の中から選出された7人のファイナリストが夢をプレゼンし、大賞に輝いた垣内さんは、「ユニバーサルデザイン(UD)の導入を拡大させたい」と思いを叫んだ。

同コンテストは、2010年より開催され、今年で3回目となる。みんなの夢アワード主宰で審査委員長の渡邉美樹・ワタミ取締役会長は、「素敵な社会は、素敵な夢の中にある。みんなで日本一の夢を応援する空間を作りたくて開催した」と話す。

57社の企業が協賛し、優勝者には夢実現の資金として2000万円や、協賛企業からの副賞が贈られる。「今回エントリーした夢の中には、社会性を備えたものが多かった。今後、このアワードがソーシャルビジネスを加速させていく機能を果たせる可能性も十分にある」と渡邉会長は印象を述べた。

1位に輝いた垣内さんは、先天性の骨形成不全症により幼い頃から車椅子生活を送っている。医者からは、病気の影響で、こうした活動ができるのは20年余りと診断されている。自身のパソコン画面には、その日数がカウントダウン形式で表示されているという。

「障がいを持っているから経験できたことを社会に還元したい」と話す。車椅子ならではの視点や感性を生かし、バリアをフリー(取り除く)にするだけでなく、バリュー(価値)に変えるための活動を行う。大学在学中の2010年には、友人とミライロ(大阪市)を設立した。

障がいの有無を問わずに利用できる製品や施設であるUD導入へのコンサルティングや、高齢者や障がい者への接客に関する研修を行う。

「目が見えない人は、肌で触る感性が発達しているので、彼らがタオルを作ると好評を得る。障がいはハンデでも、マイナスでもなく、強みになる」とバリューを社会に訴える。

障がいがある学生への教育支援や就労支援を展開し、ハードだけでなく、ソフトも変えていきたいという。

活動できる期間が20年余りという現実も受け入れて日々活動する。「残された日数は7645日。人生の長さは変えられないが、人生の幅は変えられる」。

「全国3000万人の高齢者と、750万人の障がい者は何らかの不都合を感じながら生きていることが多い。当事者だからこそ気付ける視点で、世の中を変えたい。ぼくの小さな思いを大きなうねりにして、日本をUD先進国にしたい」と夢を語った。

渡邉会長は、「限られた時間の中で、目一杯がんばってほしい。素晴らしい夢だ」と評した。(オルタナS副編集長=池田真隆)

2013年1月31日(木)15:20

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