WWFジャパンら、日本に第2約束期間への参加訴え

「I LOVE KPキャンペーン」のロゴマーク

2月16日は京都議定書が発効した日。この記念日に合わせWWFジャパンは「京都議定書が築いてきた礎の上に」と題した声明文を発表した。気候ネットワークも16日を含む14日からの1週間、特設ウェブサイトで「I love KP(京都議定書大好き)キャンペーン」を始めた。NPO2法人とも日本が京都議定書第2約束期間に参加するように訴えている。

「日本の温暖化対策は、目標すら失い、政策方針は迷走し、後退への兆しを見せていると言わざるを得ない」。

WWFジャパンは声明文で日本政府の姿勢をこう批判した。

2013年から20年に設定された京都議定書第2約束期間に日本は参加しない。それだけでなく20年の温室効果ガス排出量を90年比25%削減するとした国際公約も事実上、撤回した。産業界を中心に政府の姿勢が正当化されており、声明文ではこうした現状に危機感を募らせている。

そんな日本には「他国に削減を求めるに足るだけのことを自らが行う意思があるのか」と疑問を呈す。第2約束期間に新興国が参加しないから日本も参加しないと言う主張は国際社会には受け入れられない。それどころか自らの排出削減の目標も「店晒しになったまま」で、新興国に参加を呼びかける資格すら失ってしまった。

声明文の最後では日本に対し「新たな排出削減目標をかかげ、計画・政策を導入し、他国の取り組みを支援していくことを早急に示していくべきだ」と強く訴える。

気候ネットワークの「I LOVE KPキャンペーン」は特設サイトで「なぜ今I LOVE KP」なのか、そのコンセプトをわかりやすく説明。ツイッターやフェイスブックで参加を呼びかけ、市民の声を政府に届けるという。

このキャンペーンでも日本に「国内の自主的な取り組みにまかせるのではなく、先進国の一員として、第2約束期間への参加を改めて検討することを求める」と主張している。

これから、すべての国が参加する20年からの新たな排出削減の枠組み(ポスト京都)づくりをめぐる国際交渉が活発になる。いくら新興国に資金援助をしても、目標を持たない日本の国際社会での発言力低下は避けられない。

第2約束期間が正式に発効してない今なら、まだ参加を再検討する余地があるのではないだろうか。(橋木公)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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